理念は浸透させるものではなく、共感するもの 人材開発デザイン 佐久間 芳之

「社歌」の斉唱、「社是」の唱和、経営幹部からの講話という朝礼は、会社の規模に関わらず、一般的に見られる日本企業の原風景です。

その一方で、
「言っていることはわかるけど、自分の業務とどう関係があるのかピンとこない」
企業の中で働く普通の人たちが、理念、ビジョンに対して抱いている率直な感想です。
入社間もないころの私は、朝礼が行なわれる食堂の後方の壁によりかかり、時間を過ぎるのを待っていたものです。

そんな私が、時を経て、理念・ビジョンに関する研修を企画することになるとは不思議な縁。でも、だからこそ、理念やビジョンを青臭く、自分の言葉で語り考えあうことが一番大切になると考えています。

会社の理念の源は、創業者の哲学。すわなち、創業者の人生理念です。わかりやすく言えば、「自分が生きていく上で一番大切にしていること」そのものです。

人には寿命がありますが、会社には寿命はありません。だから、その時代、その会社で働く人たちがなすべきことは、創業者の理念を語り継ぐことです。それは言葉と言葉にならないことを伝えていくこと。そのために最も大切になることは、会社で働く1人1人が、企業理念と自分の理念との重なり、すわなち、共感を持つことです。なぜなら、人の理念は、他人に押し付けてわかるものではないからです。

語り継ぐことの大切さ

会社でも、学校でも先輩や先生からの記憶に残る言葉や転機となる出来事が1つや2つは誰でもあるはず。その言葉が、今の自分を支えてくれている人も多いと思います。
長い歴史を持った会社であれば、伝説の人が1、2人はいると思います。その偉業を成し得たのは、彼らを支えた言葉や転機があったからです。
そう考えるとたどり着くのは、やはり創業者です。創業者の言葉です。創業者から薫陶を受けた人は、日々の仕事を通じた何気ない創業者との対話から理念に共感し実践していきました。

企業の理念に共感し、実践するためには、自分の人生理念、すわなち、自分の拠り所が何かをわかっていることが先決です。

実際、どんな会社に入るのか、仕事をするのかは、出会いのようなものです。では、自分にとって良い出会いをするためには、どうすればよいのか。それは、自分の拠り所が何かを常に問い、ぶれない基軸を持つこと。それがあれば、自分も周りの人もより幸せを感じることができます。

「ソーシャル」という時代の流れで、ますます大切になることは、1人1人が人生理念を持ち、かつ、他人の人生理念を大切にする生き方・働き方です。

iPSRが行なう事業は、人が大切にしていることに寄り添い、人との出会いをクラフティングするそんなお役立ち事業です。

PROFILE

人材開発デザイン 佐久間 芳之

大手AV機器メーカーにて、業務用商品開発・企画、及び新規事業に従事後、人材開発事業を行う子会社において、人材育成体系の企画立案から研修プログラム開発・運営まで一貫した業務に携わる。
中でも15年間継続したマーケティングスクールの企画運営を担当。外部及びグループ内企業から参加した受講者が、社会・市場視点から新規事業を考えられる人材開発に注力し、マーケティングマインドを持った人材を輩出。

  • ・多摩大学大学院博士課程前期修了
  • ・研究分野 「知識創造」、「マーケティング」、「イノベーション」
  • ・理論を実践に繋げるための「場」に注力。
  • ・日本アクションラーニング協会 認定ALコーチ
  • ・桑沢デザイン研究所 STRAMD2期

■実績

IT企業の人材開発業務のコンサルティング、電機メーカー新規事業開発プログラム支援。コンセプチャルマーケティングの研修・ワークショップの実施、新価値創造講座(企業、日本マーケティング協会)のインストラクションデザインを担当。
業務用商品企画を企業アライアンスで実現。 日本経済新聞優秀賞を受賞。