「いろんなコト」が身につくから面白い 一つカベを乗り越えた先には、乗り越える次のカベがある ゲームで次のステージへ行くように 神奈川県川崎市宮前区で、電子機器の商品開発、技術開発、回路設計を行う 株式会社Neotec Japan 代表取締役 加留部貴士氏 の生き方・働き方

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株式会社Neotec Japan 代表取締役 加留部貴士の生き方・働き方

最終形のイメージを具体的な『形』にして提供する最初から最後まで一工程で、しかも短い時間で行うことを目指す

対話する?

私たちの会社は、基本的には製造業といわれている分野になります。その中で、私たちのやっている仕事は、電子機器の商品開発、技術開発、回路設計、電気回路を元にした商品を作っていくという仕事を行っております。

元々は受託開発といわれる、お客さんの注文に対して製品を作っていくところがメインになっていたんですけれども、そこを今は独自の商品開発…、つまり、こういう商品が欲しいというオファーに対して、弊社がそれをオリジナルな製品として提供していくという形に徐々に変えつつあり、現在、その最中です。

お客さんの方は、作る技術は持ち合わせていないけど、作りたい商品の最終形のイメージを持っています。その最終形のイメージを具体的な形にして提供するということ、これが商品開発。なので、私たちは、今まで築いてきた受託においての技術を元に、適切な回路であったり、製造に対する方法論であったり、さまざまなことを提供し、要望を形にしていくわけですね。

商品開発として最初の実績例は、会社設立当初に携わったドライブレコーダーの製作です。お客さんの方もベンチャーの企業だったのですが、本当にドライブレコーダーを作りたいという意思をお持ちだったので、それを一から具現化しながらスタートさせて、商品にしました。

通常、開発メーカーはデザイニング会社とよく言われます、何かをデザインするということですね。それはあくまでも電子回路を作れる、ソフトウエアを組めるっていうのが主です。それに対して私どもの方は、その回路に付属する構造設計も同時に行いましょう、そこから商品にする形にもっていく最適な道を作りましょうと、その方法を多角的に総合的に模索するというやり方です。それが私たちのワンストップでやるということ。この、最初から最後まで一工程で、しかも短い時間で行うことを目指しているというのが、最も大きな特長でしょう。

構造設計、電子回路設計、ソフトウエアの開発…それらはパートごとに基本的には違うと思います。そこで起きてくるのが各パートとの連携や結合をどうするかという問題です。例えば、構造設計の方では回路をどうするかが決まらないとできない。なので、通常行うやり方としては、各々別工程で製作を進め、その結果出来上がったものをブラッシュアップして縮めていくっていう、この二工程をとることが多いと思います。 それを私どもの方は、最初から見越した大きさの中に追い込んでいったり、仕上がりの大きさに合わせた回路を構成したりなど、完成品に至る方法論を3つ4つ違う方向から検討していき、なるべく短い時間で作り上げていくことを目指しています。

『想像力』を働かせよ頭の中で、全部の構成と出来上がった最終形の形が見えていることが絶対必要

対話する?

技術面で言えば、自分はこれに自信があるというコア技術は一つ二つ持っていれば、僕は大丈夫だと思っています。あとはどれだけ想像力を生かしてものを作っていけるかどうかというところにかかっているかと思います。

想像力というと、スポーツ選手がイメージトレーニングをするということをよくお聞きになると思います。イメージトレーニングっていうのは、できあがった形を第三者的に見るのではなく、自分が動いている形を身体を動かさない状態でもイメージしながら対処できるかどうか、ということですよね。僕らの技術も同じで、どういう構成を作っていったらどういう問題にぶつかっていくかを想像しながら、そこにたどりつくための最終形の形をどれだけ具体的にイメージできるか…そこにかかっていると思います。その最終形のイメージができないままものを作っていくと、途中で必ずハードルでつまずいたり壁にぶつかったりする。それを越えられないと途中で失敗したり、後戻りしないといけないってことになってしまいます。

最終形のイメージにどうしたらたどり着けるか、これは机上で手を動かして設計すれば到達できることでは全くなくて、頭の中で、全部の構成と出来上がった最終形の形が見えていることが絶対必要なんです。その上で、逆算しながら、分解していって、最終形の最初の設計段階に戻っていく。この手法によって、ある程度トラブルも解消できるのではないかというのが、私の考えです。それが想像力を働かせよ、ということです。

モノを作るとは、何か作りたいねっていうイメージがあって、それを形にしたいから、いろいろなことを勉強して、吸収する努力をするのでしょう。例えばゲーマーなんかもそうですよね。こういうゲームがほしいなと思い、であれば自分で作ろう、ということですよね。最終的に、モノ作りとは、想像しているものを具体的にするっていう面白味ではないでしょうか。

想像力をどうやって蓄積するか、そこは本当個々人の感性の磨き方であって、人それぞれだと思います。本を読んで想像力を蓄える方もいるし、映画を見て刺激を受ける方もいるでしょう。そういう意味で、自分の中をいかにクリアにしておけるか、これが大事だと思っています。

僕は、「器」ということをよく言います。器って想像力と同じだと思うんです。器って育てるもの、育つものって言われますが、器を大きくするには、容量を大きくするのと同じで、たくさん食べていけば、段々大きくなる。ギリギリのところまで追い込んでいく必要がある。そうすると、思ってもみなかった容量まで大きくなっていく。それは想像力も同じで、小さな想像力から大きな想像力にどんどんどんどん膨らませていく。そうすると、例えば、現在は明日までのことしか想像できないけれども、それが次第に1カ月後、1年後、5年後、10年後というように、先が読めるような想像力ができてくる。これはモノを作るときのプロセスとして基本的な姿勢だと思います。頭の中でどんどん時間を早回転しながら、次なに? 次なに? 次なに?…と考えていくこと、それを繰り返し訓練することですよね。

訓練ということでは、自分のメイン以外の仕事もなるべくやろうということを僕はよく言っています。現実的には、エンジニアの場合、なかなかそれができてこないっていうところではありますがね。それでも社員の皆、僕の知らないところで励んでいるんではないでしょうか。

また、私たちの会社のポリシーは、言われたことを言われた分だけやるのではなく、その先、お客様が想像していないところまで提案する、それを重要視しているんだよっていうことを、常々に言っています。実は、そこが一番面白いところでもありますし、一番難しいことでもある。そして、お客様が望む内容以上のものを目指してトラブルを回避していく、これがビジネスを進める上では一番重要なことだと思っています。

『師弟関係』のような形で色々なことを教えてもらったモノを作る中でどこが一番ポイントか、書物にはどこにも書かれていないノウハウを学ぶ

対話する?

理科が好きで算数が好きな子どもでした。そういうところから、将来的には技術者として生きていきたいという思いを子どもの頃から持っていました。

30年程前、電子工学が最先端の分野として注目を浴びていた時期ですが、やはりそれに魅かれ、その中に飛び込んだというところがはじまりです。そこで段々理論の面白みというか深みにはまっていき、勉強すればするほどいろいろなことがわかってきて、今度はその勉強した内容を具体的な技術として使う面白みに興味が向かいました。

僕は小さな企業で働いていたという経歴なもので、大工の世界と同じといいますか、師弟関係のような形で色々なことを教えてもらったというところがあります。

今になってよくわかるのですが、まず、教えてくれる技術者の考え方を最初は踏襲するように学び、それにのちのち自分で吸い込んだテクニカルな部分をかぶせながら自分なりの形を作っていく、そういう道筋だったのだなと思います。その当時はそんなことわかりませんでしたけれどもね(笑)。多分それで大手の企業さんで働いているのとちょっと違った形で勉強できたのだろうし、これは環境的に非常によかったと思っています。

具体的に言うと、例えば、まず考え方の基本として、今やっている中で何が一番重要か、何をやるべきか、というポイントを教えてもらえたことが大きいですね。それを実際に見て、考えながら学ぶ機会を与えてもらった。それができれば、あとはテクニカルな話なので、教科書や専門書で勉強すればいくらでも知識は吸収できます。

この局面で何が一番重要か、こういう考え方の基本のようなことは、書物にはどこにも書かれていないんですよ。それがノウハウっていわれるもので、モノを作る中でどこが一番ポイントか、逆にこのポイントを守っていれば大丈夫だというものです。そのポイントを最初に見つけて、そこにまず杭を打ち込む、それにテクニカルな部分をまとめていく…そういう考え方ですね。

これをなかなか身に付けられないでテクニカルなことだけが特化した技術者になると、最初はそれでもやっていけますが、将来、技術的にも深いところまではいっていけなくなると思うんです。

ですから、僕は新入社員に、まず最初は先輩社員の皆さんたち、周りにいる人たちが何をポイントに仕事をしているか、それをよく見て観察して、覚えなさい、と言います。 想像力をみがきなさいなどと言われても最初からそれはできるわけない。やはり、まず学ぶことから始めるしかないと思います。じっと見る、その意味を考える、そうして初めて、同じ目線にたどりつくことができる。

「あっ、だからそれが重要なんですね!」と先輩のやっていることがわかるようになったら、もうあとはしめたものですよ。次に何をやればいいかが言われなくてもわかる、また、言われたことがすんなり理解できる。

『感性』が重要感性豊かに物事を捉えることができれば、それだけ幅広く人が訴えることがわかるようになる

対話する?

やはり感性の部分というのが重要だと思っています。

10人いれば10人なりに、100人いれば100人なりに、人はそれぞれ見方や感じ方は絶対違います。違って当たり前だと思う。ただ、より多くのことを感じ取れるかどうか、感性が豊かかどうか…そこに大きな差異はあると思う。感性豊かに物事を捉えることができれば、それだけ人が訴えることがわかるようになると思います。

実は、それって技術も同じなんですよね。商品開発をしていく中で、お客さんがどういうものを作りたいかということに対して、自分たちが持っている感性を使って、よりよいものを想像し、創造してあげる、そこに導いてあげる、作り出してあげるというところで、感性の鋭さが非常に重要なことだと思っています。
要するに、どれだけ深く対象について考えることができるか、ということです。

ただ、普通に生活していてそうしたものが得られるものかというと、そうではない。やはり、ある程度努力することは絶対必要です。だから、自分が想像力を増やしたいな、感性を豊かにしたいな、なにか足りないなと思ったら、自らそれらを得られる環境を考えていくべきでしょう。例えば、ある教育プランの中で感性を磨くということを履修すればある程度のレベルにはいくと僕は思っています。

感性を磨くために努力をする必要はあると思うんですよね。ただその努力は負担になってはいけないとも思います。

僕自身は、感性を学ぶためというような目的でやっているものはありません。読書が好きで本はたくさん読みますが、感性を豊かにするために本を読んでいるという狭義な目的意識で読んでいるわけでもない。また、芝居が好きで、俳優とかダンサーとか、遊び適度なんですがやってまして、公演にはお客さんからお金をもらうので、ある意味プロとしてやってはいるんですけれど、まだまだ勉強中というところでしょうか。まぁ、「器」を作っている過程の状況ですが、そういうことをやることによって、今までの技術者としての世界とは違う分野で、新鮮な感性や感覚を磨いている実感はあります。

俳優っていうのは、役を演じる俳優がどうその役を理解して、その感じているものをどう作り上げて、どのように人に伝えるかというのが、基本的な仕事ですよね。つまりは、感情のコントロール、心の在り方のコントロールなわけです。これは人間が生きていく中でも誰しも必ずやっていることで、喜怒哀楽があって当たり前。ですが、仕事をする中では逆に自分の感情をむき出しにして仕事をしてはいけない場合もあるわけです。料理人とかは、その感情が料理する味に出るなどとよく言いますが、ビジネスも同じで、その感情によってその日の判断がブレてはならない。だから、心のコントロールは大切ですよ。

心のコントロールができていくと、どういう感情も作り上げることができるようになっていける。そうすると、冷静に判断するシーンではどうすればそのように心をコントロールできるか…僕は芝居をやっていて、そのへんのテクニカルなことを学んでいる感じがあり、そういう意味では、それが豊かな人生を送れることに繋がっていくかな、というところですね。

芝居は筋書きがありますが、人生は筋書きがないドラマ。私だと、社長という役をやったり、夫という役をやったり、友達という役をやったりと、いろいろな役で、人生を生きている。その時その時、相手に対してどういう風が一番いいのかを考えながら感情コントロールしていくわけで、仕事上であれば、それがお客さんに伝わってビジネスに繋がればベスト、なかなかそこは難しいですけどね。

想像力・感性・協調性を大事にすること。それがまず大事ですね。

技術者として必要なテクニカルの力量とか、思考回路も多々あると思いますよ。でも、私が求める一番重要なことは、一緒にやりたい仲間としては想像力があること、それで自分の考え方が言えて、感情をコントロールしながら言葉を選ぶことが出来る人、そういう人と仕事をしていきたいなと思います。社員でもそうですが、お客さんも、パートナーとしてやる人も、やはり同じような感性の人たちと仕事するのが、何と言っても一番気持ちいいですね。

『完成』したモノを届ける一つ一つの商品プロジェクトが完成した瞬間っていうのは、子どもがプラモデルを作り上げたのと同じ感覚

対話する?

私たちのお客様の一つは大手メーカーさんの開発研究所といわれている、商品開発をする分野の方々です。それから、今次第に増えてきたのは、まったくのベンチャー関係の方々で、電子機器関係じゃないメーカーさんのところからの商品開発の依頼ですね。 そして、もともと私たちが主に仕事していた仲間なんですが、メーカーさんの中のR&D(リサーチ&ディベロップメント)部門のところから、一部受託として、ボードの開発やソフトウエアの開発の仕事をしています。

今後一番増やしていきたいのは、電機メーカーさんじゃないメーカーさんとの商品開発です。電機業界じゃない方々はアイデアが先にくるので、そのアイデアを具体化できるかどうか、これまで主に一緒にやってきた専門分野の方々とは全然異なる勝負になります。現状ではあり得ないような製品を創りたいと言われることも多く、その中から本当に必要なものは何かを、削り出して、あぶり出して、絞りこんで、製品として可能な範囲はどこなのかっていうところを攻めていく、これはまったく違う面白味…面白味っていうと語弊があるかもしれませんが、まあ大変ですけど、醍醐味があります。

「こんなのは、出来ないだろうね…」という地点から、どうやったら作れるかへの過程では、私たちのもっている技術だけでは到底無理だっていうこともあります。その場合はじゃあどういうところとパートナーを組むかがポイントになるわけです。そのパートナーと、それをどういう形にしていくか力を合わせていくのです。

最初に私は「私たちの会社は基本的には製造業」という言いかたをしましたね。つまり、モノを作り、完成したモノを届ける、これに尽きます。

この会社を立ち上げたときからそれを掲げ、そこを中心にやると決めていたので、そこを確実にこなしていきたい。現実的にそれが100%できているかって言われると、なかなかそうもいかないのが事実なんですが、考え方としては、完成したものをお客様に届けること、これがなによりのお客様への貢献です。

製品を届ける際には、変な話なんですが、製品に一緒に付いて行きたい心境ですよ。最終的に使うお客さんのところまで行って、ちゃんと動いて、問題なく稼働していることを見届けないと怖くて帰れないっていうのが正直なところですね。それくらい、手放すのは怖いって言うのも事実です。ですが、思い切りもすごく大切で、「これだけのことをやったんだから大丈夫」という自信を持つしかない。だから納品までには「できる限りのことはやりなさい、チェックしなさい、調べなさい」と、口うるさいほど言います。

一つ一つの商品プロジェクトが完成した瞬間っていうのは、格別でして、子どもがプラモデルを作り上げたのと同じ感覚ですね。

『存続』させるこれから大切にしたい3つの柱

対話する?

10年目を迎えた現在、私が今一番重要なこととして捉えているのは、存続させるということです。経営者としては当たり前の話なんですけれども、もっといえば、存続していくためにはどこに向かうべきかという問題です。

僕が社会に出てから約30年近く経つんですけれども、この間、世界の情勢、日本の情勢はどんどん変化してきました。これから先の5年、10年、20年はもっと流動的な情勢が予想されます。それに対して、どれだけ会社自体が柔軟に対応できるか、目下、これを最も重要視しているところです。

例えば、商品開発業務に関してですが、私自身はやっとスタートに立てたという認識です。10年間これを言い続け、社員ともやっと話ができるようになり、外部に対して「やってますよ!」と、ようやく言えるかな、というレベルです。まだまだこれからだと思います。

そして、さらに言えば、モノを作るっていうのは確かに大事ですけれども、その先の流通がもっともっと大事。最終的には我が社の製品をいかにして売るか、それで成果を上げられない限りは、モノ作りの成功とは言えない。売れなければビジネスではない。いい製品を生みだして、流通が成功して、それでやっと成功なのであって、まだ我が社はその途上です。まずはスタートできたんじゃないかなと思うので、今後は、それを推進していく人たちをどんどん育てていかないとなりません。

また、我が社にはいくつかの柱があると思っています。
まず一つはコア技術。この人材養成ということは今まで以上に注力を注いでいきたい。技術者の充実は、私たちがやっている会社としてのコアですから、これが疎かになってしまうとすべてが崩れてしまいます。この分野は確実に作っていかなくてはならない。

次に営業なんですけれども、ただこれも私たちが従来やってきた営業というものとは少し違っていくべきと考えていて、営業の人間がある程度、商品のシステム設計ができ、コンセプトの構成や工程スケジュール作成ができる、そういう技術を身に付けることに注力していきたいです。

技術力のある営業ということですが、言うは易し、行うは難しでして、難しい話なんですけれどもね。営業が技術を学ぶのがいいのか、技術者が営業のセンスを会得するのがいいのか。ただ、うちとしては、これからはますます技術オンリーではなく、技術者には営業的な視野を持ってもらいたいということです。お客さんとその場で、創造的な話ができる、そういう営業がこれからはより必要になってくるでしょう。

三番目に上げたいことは、生涯、勉強に対する姿勢を持ちたいということです。技術者っていわれるんだったら、ある程度の技術を持っているのは当たり前です。できて当たり前。それ以外のものを勉強することが絶対必要なんじゃないかな。学校を卒業したあとは、勉強するのも自分でどういう風に勉強するか考えないと勉強できません。努力が必要ですよ、すごく必要ですよ、死ぬほど努力って必要ですよ。
僕は、心身ともにやわらかいうちに、なるべく多くのものに接して、心を広げていき、感性を広げていき、想像力を豊かにしていく努力や学びをやる必要があると思っています。

僕は正直なところ、特別な資質があるわけでもなく、技術屋の才能も高いわけじゃない。僕よりもはるかにレベルの高い人はたくさんいます。それでも、僕が一応10年ほど、会社を運営してこれたということは、僕のやり方もそんなに間違いってはいないんだろうね、というところでしょうか。

『いろんなコト』が身につくから面白い一つカベを乗り越えた先には、乗り越える次のカベがある ゲームで次のステージへ行くように

対話する?

根底にあるのは、完成品を届けるという信念。それを崩さないようにしていかないといけないと思っています。それが一番重要であると位置付けていきたいと思います。それが壊れてしまうと、ネオテックジャパンという会社の存続意義がない、そう思いますね、私は。でも、まだまだ力不足だし、批判されると凹みますけどね(笑)。

現在私は、どちらかというと経営サイドでものを考えたり、1年後2年後先のビジネスを考える時間が多いのですが、モノ作りの第一線に立っていた頃はお客さんに納品した時、ダメ出しを食らうことも多々ありましたよ。自分の中でも100%これは完成品だって思ったことは逆に無いといってもいいくらいで、次はこうしたい、今回はここを失敗したなとか、自分的にはこれは納得してないなとか…やり残した状態だったことも多々あります。それは決して不具合とか不良品ではないんですけれども、製作過程でよりよくなるというところに気が付いていくわけです。現状ではこのやり方は間違ってはないけど、次のときはこうやろう、次はこうしたいなどと、可能性を見付けてしまうというということです。これは何十年やってもありましたね。常に自分の中で納得するっていうのは難しいですね。80歳にもなっている人間国宝が自らの作品に「これはダメだ」と言うほどのこだわりだったり、極めようとする厳しい姿勢には及びもしませんが、技術者としてもう少しやることあったねっていう、反省、といいますかね。

完成品を納品してお客さんに「これではダメじゃない」って言われた時、「あツ! そっちかー」と気付かされることもありました。自分はこっちがダメだと思ったんだけどなっていう誤差もありますし。

商品開発での難しさは、知識の広さや幅をどのくらい持っているかということですね。知識の広さや幅、医者に例えると、過疎地の村医者がそれこそ内科から外科、皮膚科まで、全部自分で対処しなければならないようなもので、自分が学生の頃から学んできた技術以外の分野も分かっていなければならないのは当然。自分のやりたいこと、自分のできることだけを磨けばいいというわけにはいかない。できないことがあっては困るっていうのが現実です。それを勉強と努力で補わないといけないのが、うちの会社のエンジニアとして、一番大変なところだと思います。

しかも、一つカベを乗り越えた先には、乗り越える次のカベがある。新しい技術がどんどんまたはいってくるわけで、それが時代とともにどんどん変化していく。だから1回の乗り越えで、なにか素晴らしいものに遭遇するなんてことではなく、次に進むことができるワンステップにすぎない。

まあ、いろいろなコトが身につくから面白いと言えるのです。
その結果、作れなかったものもどんどん作れるようになる。

でも大変なことですよね。楽なことではない。次に行きたいかどうか、それは自らの意思だけ。もう自分はここでいいやって思った、その瞬間に、エンジニアの仕事はすべてが終わる…。

だから、ゲームと同じ感覚ですよ。難関をクリアして次のステージへ行くような。

人との『繋がり』 人への『感謝』モノ作りは一人ではできない 力を借りることで完成させてもらっている

対話する?

私自身が大切にしていきたいことは、人との繋がり。そして、その根底には人への感謝があります。

人との繋がりは、やはりたくさんの人と会いコミュニケーションを活発にするということ。

それから人への感謝…モノを作っていく中では一人じゃできないというところ、助けてもらうっていう部分が必ずあります。力を借りることによって、完成させてもらっている。そのことに対しての感謝の気持ちは、常日頃ずっと持ち続けるべきものでしょう。それをなくしてしまうと、形が整わなくなってくると思っています。

一人ではできない、これはハッキリ言えます。僕はずっとそういう感覚で仕事をしています。僕は決してオールマイティな人間ではないと自分でわかっているからであり、会社もオールマイティな会社でも全然ありません。できないところはやはりいろいろな人の手を借りてやっています。

また、手を借りるときにどんな風にこちらがお願いすれば一番やりやすいのかっていうことを常に考えてもいます。ここが的を得ていると依頼した内容の完成度がぐんとよくなってくるのですよ。つまり、こうすると、お願いされた方もより正確に要望のモノを作っていこうという努力、目に見えない努力までしてくださる、ということです。小さな気遣いなんですけど、ね。

『豊かな人生』を味わってもらいたい、この一言ですいろいろな人の生き方を見ながら、可能性やチャレンジ精神を感じ取ってもらいたい

対話する?

いろいろな人生の歩み方があると思います。その中で、例えば、僕の生き方を見てもらうのも、いいなと思っています。どういうことかというと、僕は社長としての生き方もありますが、それ以外のこと、例えば、芝居であったり、ダンスであったり、さまざまなことをやっています。そこも見てもらってもいいと思う。

僕は40歳になってダンスを始め、芝居を始めたんですが、それを聞いた20代の若い人が「人生この先、すごく年をとるのが楽しみになりました」と言ってくれたことがありました。彼は「あと10年もすればやることがなくなるんじゃないか、チャレンジは何もできなくなるんじゃないかと思っていたんだけれど、お話をうかがって、40歳になっても50歳になっても、まだやることがたくさんあるんですね、チャレンジすることがあるんですね」というわけです。それを聞いて、うちの社員にも僕のような人生の生き方もあるんだよということを知ってもらうのもいいかなと思いましたね。

僕だけではなく、いろいろな人の生き方を見ながら、可能性やチャレンジ精神を感じ取ってもらいたい。そして、人生をより豊かなものに自分で築きあげてもらいたいと思っています。

でも、「苦労したんだぞ、40歳から始めるって」とも言っていますよ(笑)。

「ああこういう人がいるんだ」、「ああこういう考え方があるんだ」という感想もありだし、「もっと俺はすごいんだ」と思ってもいい。張り合うぐらいの気概をもつようになる人が出るともっといい。そういう意味で、僕の生き方を見ながら、人生を豊かにしてもらえるといいなって思います。

僕が話した内容…想像力であったり、感性であったり、心のコントロールであったり、これらすべては人生を豊かにするということに全部繋がっていくものです。そこが人として生きる中で、一番大事なことだろうと、僕は信じています。

社員に望むことは、豊かな人生を味わってもらいたいということ、この一言です。

豊かな人生っていうものはお金も大切だけど、自分の見聞きするものをよりよく感じられるような生き方ってことだよ、と。

感じ取る、ここがすごく難しいと思うんです。同じものを見ても、感性豊かに反応できる人もいるし、全く感じない人もいる。また、同じものを見ても、違和感を抱いたり、拒絶する人もいる。でもその中で、相手が伝えようとするものを、ダイレクトに受け取ることができたら、より多くのことを学び、より人生が豊かになっていくと思うのです。

そういうことができるといいよとしか、僕は言えないですけど、そういう人生を送ってもらいたいですね。僕としては、見てもらう、考えてもらう、そうあればいいなというところで、けして押し付けるつもりはありません。

僕のような人間もいるんだ…それで十分だと思っています。

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